考の証

要は健忘録

「何者」見た。

 洗濯していて寝られないので、先日見た「何者」についてネタバレ前提でつらつら書いていこうかと思う。




 役名を対して覚えていないので、役者名で書いていく。



 まず、二階堂ふみが怖い。その怖さが発揮された後のシーンにでてくる有村架純には本当に癒された。有村架純は大学一年生(?)から就活時までの姿で出てくるが、一年生であろうときの姿は、垢抜けない田舎娘っぽい雰囲気が出ていた。これはメイクさんがすごいのか、ただただ感心した。アイアムアヒーローではあんなに美人だったのに、こう映るとは。


 ・・・結論から言うと、佐藤健が最後にクズとして明かされるのだけれど、それに私は安心した。本作では彼の内面や性格はあまり描写されていない。そのため、受けた印象は「なんだか周りに馴染めていない」「キョロ充」「斜に構えてなにもしない人間」という感じであった。そんな彼だが、最後に匿名のツイッターアカウントで就職活動をするための5人のうち3人(自分と有村架純を除く)を、本人は客観的かつ冷静的に分析していると思っているのだが、馬鹿にしている内容のツイートをしていた。顔には出さず、影で人を馬鹿にしていた彼を見たとき、私はよかったと思った。それまでの彼は演劇の夢を諦め、就職活動も上手くいかない、何者にすらなれないよう描かれていた。これで彼が影で悪口を言っていなかったら、彼はクズにすらなれていない。彼はこの世で何者にすらなれない。誰かの、何かになる権利すら得られていなかった。そんな彼に「クズ」という称号が与えられたことは、この世界の中における佐藤健が得た居場所そのものといっても過言ではないと思った。これが安心できた理由だろう。

 そんな彼だが、就職活動に演劇関連の企業を選ばなかったのが不思議だった。というよりも、演劇サークルで台本や演出を烏丸ギンジと共に担当し、演劇に熱を込めていた彼が、「何者」かであったであろう彼が、徹底して「何者でもない」姿として描かれていたことに疑問を持った。こういうクズの役割というのは、何に対しても本気になれない、もしくは自分を現実で順位づけしたくないがために何かにつけ言い訳をして本気にやらない人間が選ばれるものだろう。これについては特に原作でも描かれていないようだ。
 これは私の推測であるが、就活が上手くいかずに留年した佐藤健が、初めの1年目に受けたのが演劇関連の企業だったのではないだろうか。今までの自分の努力、かけてきた時間といった諸々を懸けて挑んだ就活に、一度彼が負けたのではないだろうか。だからこそ、今でも演劇に対して全力を尽くす烏丸ギンジが無視できなかったのではないだろうか。

 作中で菅田大輝は、内定を得た後に佐藤健に確かこんなことを言っていた。
 「内定って言葉、不思議だよな。それをもらうだけで自分が全肯定された気がする。」
 「足が速いことと一緒で、俺はただ就職活動が上手かっただけなんだよな。」
 「俺、なんで拓人(佐藤健)に内定が出ないのかわからない、嫌味じゃなくて。」
 逆を言えば、内定を取れないということは自分が全否定されたように感じる。自分のしてきたことを認めてもらえなかった。そんな思いが佐藤健の中にあったのなら、就活1年目には「何者」かであった彼は、「何者」になれなくなったのではないか。


眠くなってきたので、続きは後日更新。