考の証

要は健忘録

映画「ゴジラvsコング」の感想

 延期されていたが、つい先日公開になったので今日遂に見に行きました。

 物語自体はKoMで最悪な両親喧嘩に巻き込まれたマディソンが引き続き登場し、ネットで陰謀論を唱えながらも悪の企業に自ら潜入する行動力がぶっ壊れたバーニー、ゴジラLOVEが過ぎた父親のせいでゴジラコンプレックスを持つ芹沢蓮、キングコングと話せる少女マイアなどが登場するが、正直人間パートはあんまり面白くなかったので割愛してもよいと思う。人間パートは大きく分けて二つのパートから成っている。一つ目はマディソンがバーニーと共にゴジラ襲撃を受けたアペックス社に潜入して何がゴジラを刺激したのかを探るパート、二つ目は新しいエネルギー源を得るためにキングコングを案内人として地下の巨大空洞を目指すパート。後者のパートについてはゴジラとコングの戦闘や地下空洞の圧倒的な映像のクオリティ、物語の主軸であったことからもあまり不満点はなかったように思える。しかし、前者は陰謀論好きなバーニーとマディソンの謎の会話はあまり面白くなかったが、これはアメリカ現地に住む人であればそういったジョークも伝わるのだろうか。ちなみに会話に挙がっていたのは水道水はフッ素が入っているから洗脳を受けやすい、とかであるが、一体何に洗脳されるのかなどは一切出てこない上に物語にも全く関与しない。彼らの陰謀論好きについては作中で何も関与しないので、無駄なアクセントと言わざるを得ない。彼らに時間を割くぐらいであればあの狂った芹沢博士の息子である芹沢蓮がなぜメカゴジラを求めていたのかを掘り下げてもらった方が良かったと思ってしまった。

 一方で、怪獣バトルのクオリティは滅茶苦茶高く、それだけで大満足だった。GODZILLA、KoM、髑髏島の巨神。全て見たときには「どう考えてもゴジラが強過ぎてコングは太刀打ちできないだろ…」と思っていたが、本編では香港の街をジャングルの様に縦横無尽に動き回り、機動力を生かして巧みな戦闘を見せたコングには驚かされた。人型生物の腕を自由に使えるというのは戦闘において非常に大きなアドバンテージなのだと再認識した。戦闘の場となった香港の街とそこに住む人たちには同情しかないが、ゴジラとコングのカッコよさに免じて許してほしい。
 また、満を持して登場したメカゴジラの戦闘もまたクオリティが高かった。これまでの人類の無力さと打って変わり、ゴジラの模倣に留まらず数々の兵装によってゴジラを圧倒するメカゴジラにはちょっと感動した(実際のところ、メカゴジラは暴走にも等しい状態であり、人類の技術力には余りあるものであるのだが)。ゴジラがムートーにした放射熱線ゲロのシーンをオマージュしたメカゴジラゴジラのシーンがあって少し笑ってしまった(あのときのゴジラは確実に二日酔いのおじさん状態だったのは狙ってやってたんだろうか…)。また、ゴジラに殺されかけてダウンしていたコングが、今死に瀕しているゴジラと共闘してメカゴジラと戦うシーンは王道ストーリーと言えるかもしれないが、やはり王道は面白く熱いから王道なのだということを実感した。