考の証

要は健忘録

映画「HELLO WORLD」の感想と考察【追記】

9/22 0:30 この記事の考察をできるだけ分かりやすく書き直したので、ぜひこちらもご覧ください。

qf4149.hatenablog.com


【起きてから悶々と考えていたらわかったことが増えたので、一番最後に追記しました。】


 久し振りのブログ更新は映画「HELLO WORLD」だよ。例のごとく、Twitterに載せた時に最初の文章が見えてしまうので文字数稼ぎでもしましょう。

 ひとまずみなさま、異修羅を読みましょう。カクヨムで無料で読めるし、なんと(現実世界で)課金すれば12万字書き下しされた小説が今なら読めるのです。12万字って凄くないですか?最初の修羅エピソードで一巻終わるじゃんと言われてたのに、蓋を開けてみれば読者自称者が知らない修羅エピソードが、更に知らない物語が展開されていて、そもそも一巻で全修羅の紹介が終わらないという謎の展開。著者も編集も修羅であることは間違いない。能力バトルが好きな方や最強が好きな方、たった一人の勇者を決めるために修羅たちが行うトーナメント戦をぜひ読んで見てください。では、そろそろ本題へ。



 映画「HELLO WORLD」は最後の1秒で全てがひっくり返るとの番宣の通り、最後のシーンでちゃぶ台をひっくり返されたような物語でした。ただストーリーや設定、この映画がSFであること考慮すれば、ただのちゃぶ台返しにあらず、物語中のイベントやキャラクター、設定を丁寧に洗い出せばあの結末を理解できるものだと思う。そういうことで、今回は感想と、最初に一回見ただけでパンフレットにも目を通していないけれど、(穴だらけであろう)考察を自己満足でして見ることにする。


 映画の感想としては、アニメで結構分かり易いように見せかけておいてガチガチのSFだったなって思いました。考察でも書くように、丁寧に話を追っていけばあの最後のシーンに辿り着けると思えるように描かれている、という気がする。頭悪くてたどり着けてないからあくまでも気がするだけど。こういう作品がもっと増えてくれると嬉しいね。単純に流して楽しい物語もいいけど、しっかり頭使って没頭させてくれるの超好き。っていうか野崎まどさんの書くストーリーがだいたい好き。もっと書いて欲しい。最近日本のSF死んでるとか衰退してるとかわいわいみんな言ってたけど、全然死んでないよ。とりあえずそんなこと言ってた人たちはみんな目をかっぽじってこの作品見て。お願い。SFの観点以外だと、瑠璃と直実ラブストーリーがすごく良い。付き合えた期間はすごい短いけど、ただひたすらに互いを思い合って互いを助けようとするところとか、先生に対する瑠璃のセリフとかきゅんきゅん来る。その後の先生の泣きながら言うセリフも切なくていい。というか、先生という存在が切なすぎてちょっと辛いけど、満足して逝ってくれてちょっと助かった。後、野崎まど脚本であるから、きっと超絶理不尽級に優秀で強い女の子に振り回される男主人公の物語かなと思ったけど、そんな女の子はいませんでした。でも最後に出てきた瑠璃さん超可愛くない?きっとあの瑠璃さんは描写こそされなかったけど、後の考察でもあるようにALLTARAからサルベージすることを考えて二重にALLTARAへダイヴして成功させるような人だから多分超絶優秀なんだと思う。いや、ていうかそもそも学生時代から瑠璃可愛かったし、そこについては先生に超同意する。あの子を可愛くないという男は男ではない。あと名前覚えてないけど、モテてたゆるふわ系女子。直実と瑠璃の関係をずっと追ってたから、この子が先生と敵対する別にダイヴしてた子かと思ってたけど全然そんなことはなかったぜ。ただのゆるふわ系女子だった。でも赤ずきんが可愛かったのと、瑠璃にメイド服を来させてたから超大切なポジション。間違いない。物語に直接関係ないところで言えば、京都が舞台だったから所々の場面が「あ〜ここね」みたいに分かって優越感があった。あと、京都駅に直実と瑠璃が行くシーンで東寺駅の近くの交差点からイオンモールが見えるシーンがあって、「今そこのイオンモールでこの映画見てるよ〜」ってなってめっちゃ面白かった。


 で、ここからが考察なんだけど、最後の1秒でひっくり返るというのは、この物語が「堅書直実が一行瑠璃を助ける」だと思わせながら、実は「一行瑠璃が堅書直実を助ける」ものであることを、より正確に言えば「堅書直実が助けた一行瑠璃が堅書直実を助ける」というものであることだよね。ひとまず、考察のために物語からまず設定を抜き出す。ちなみに世界A'とか世界αとか勝手に名前付けているのは最後に残してある書き起こしたあらすじから取ってきてるので、先にそっち見た方がわかり易いかも。

⑴ALLTARAとはこれまで起きた事象を全て記録したデータベースであること。

⑵ALLTARAへダイヴした際にはアバターを自由に変更することができる。
 実際、世界A'では先生は左足を引きずっていない。

⑶千古教授の研究より、マウス等の実験からALLTARAのデータを利用することで脳死状態の生物を回復させることができると判明している。
 これを人に応用するにはALLTARAのデータと脳死状態になった際の人の精神状態を同調させることが必要である。

脳死状態の人との精神状態の同調はALLTARAデータをそのまま抜き出すことではできず、
 ALLTARA内へ現実世界の人間がダイヴしてもう一度その記録を再現して行く必要がある。
 (先生が失敗して脊髄損傷をしても何度もALLTARAへのダイヴを敢行したことから推定)

⑸三本足のカラスは、先生と居た時には一度も喋らず、先生自身もカラスを道具として認識していたが、カラスには自意識があったことが分かっている。

⑹先生のいた世界もALLTARA内に記録されたデータであった。

⑺ALLTARA内に同一個体が複数存在した場合、それをシステムはエラーとして判断してその個体を殺そうとする。

⑻ALLTARAは記録装置であるとともにパラレルワールドを構築することのできるポテンシャルを持つことが示唆されている。

⑼世界αにて、一行瑠璃はALLTARAから堅書直実の意識をサルベージすることによって脳死状態から直実を救った。


 これらの設定(というかストーリー?)が最後の描写を理解するために必要だと思われる。

 ⑼の状態より、逆説的に直実は瑠璃を救ったために世界αにて脳死状態になったと思われる。また、瑠璃が直実を助けてハッピーエンドということから、その後には修復システムが現れないことを示している。つまり世界αこそがALLTARAを創り出した最初の世界と思う、多分。いや違うかも、ここは自信ないわ。この世界αで瑠璃は自身が直実にされたように⑶のALLTARAからのサルベージによる直実の救出を考案する。このALLTARAは世界αを記録したものであり、すなわちそれが⑹より世界Aであると考えられる。また、世界A'に直実がダイヴしたように世界αから世界Aへのダイヴが必要になる。世界αで個人がわかる描写がなされたのは一行瑠璃だけなので、世界Aや世界A'にダイヴしたのは一行瑠璃であると考えられるが、そのような描写は世界Aや世界A'にはなかった。ここで⑵よりアバターは自由に変更できること、⑷のカラスには自意識があったことから、おそらく一行瑠璃は三本足のカラスとして世界Aと世界A'でダイヴしており、グッドデザインの能力はおそらく瑠璃が付加したものであると推測される。アバターの変更は⑺のシステムから同一個体として認識されないようにする抜け道と⑶の直実の精神状態を同調させるために瑠璃としてダイヴすることにはリスクがあったという2つの理由が挙げられるだろう。


 というところまでは分かった。けど結局分からないのは、この物語の起点となったイベントが何であったかということ。

①なぜ直実は脳死状態に陥ってしまったのか。
 瑠璃をALLTARAからサルベージした際に意識をALLTARA内へ残してしまった?(世界Aで消えた直実が世界αの直実?)

②瑠璃のいる世界αがオリジナル世界であれば、世界Aから世界A'へのダイヴが必要になるのかが不明。
 つまるところ、なぜ世界αの直実は世界Aへダイヴしてから更に世界A'にまでダイヴする必要があったのか。ループ説?

③世界αにて、瑠璃や直実のいる場所がなぜ月面基地なのか。意味のない描写をED直前に持ってくるのはないと思うので、理由があると思うけどわからん。


作中でも直実が好きなものがSFであることと描写されているし、この映画自体がSFであると思えば、あの最後の場面自体は作中の描写だけで導けると思うのだけれど、わからん。全然わからん。とりあえず、明日パンフレットを読んだり、ほかの人の考察を読んだりして見ます。


おやすみとこんどりあ〜。

 最後に、消すのも勿体ないので考察をするために自分で書き起こしたあらすじを残しておきます。ただのネタバレなので、読むときはできれば映画を見てから読んで欲しいです。

〜あらすじ〜

【世界A' ー 主人公、堅書直実が生きる世界】
 堅書直実はいつも通り図書館で本を読んだ帰り、空に赤いオーロラが浮かんでいること目撃する。そのオーロラをみんなが見ている中、直実だけが見える三本足のカラスに図書館で借りた本を奪われてしまったので追い掛けた先、伏見稲荷神社で突如謎のデジタル空間から現れた男と出会う。男は未来から来た自分自身、十年後の堅書直実であると言い、自分が付き合ってすぐに雷に打たれて亡くなった恋人、一行瑠璃を助けたいことを伝える。十年後の自分(以降は作品通り先生と呼称する)曰く、直実が生きる世界は先生の世界で過去に起きた出来事を記録したデバイスALLTARA(⑴)の中であり、例えデータの中でも彼女の笑顔をもう一度見たいという⑵。直実は先生と協力することを決め、瑠璃と距離を詰めて恋人になるよう行動を開始するとともに、先生と一緒にいた三本足のカラスが変化したグッドデザインと呼ばれるALLTARA内でのデータ改竄システムを使いこなせるよう特訓を始める。瑠璃との関係は先生の現実で起きたことをなぞっていく事で順調に近づいていくが、古本市での一行瑠璃の祖父の本の焼失後の対応だけが変わってしまう(出来事1)。直実は消失を止めなかった先生を責め、グッドデザインによる本の再現を試み、負目のあった先生の協力を受けて無事焼失した本の一部を復元する。その復元した50冊程度の本を直実は他の場所に置いてあったものを見つけたと言って瑠璃に渡すが、瑠璃はその中で実際に焼失したことを確認した本を見つけ、直実が何らかの方法で本を集め直したことを察する。古本市自体は他の生徒の協力もあって無事成功し、その日に直実は瑠璃に告白して付き合うこととなった。
 瑠璃との関係を縮めていく中で特訓していたグッドデザインも使いこなせるようになった頃、瑠璃が死んだ花火大会が開催される日となった。直実は先生の助言通り、瑠璃を花火大会へは連れて行かなかったが、記録との乖離を感知したALLTARAの修復システム(工事現場員の格好に狐面を被ったアバター)が乖離を修復するために動き出す。直実は修復システムと戦うが、その数の多さに押されて自宅にいた瑠璃と接触、直実とともに瑠璃を花火大会で雷に打たれた地点へと転送する。直実はグッドデザインを用いて雷を無効化して瑠璃を助けることに成功するが、ここで先生が介入する。先生は瑠璃が死んだのではなく脳死となったこと、脳死状態から回復させるためにALLTARA内のデータを利用し、脳死した時点での精神状態と同期した今の瑠璃を現実世界へサルベージすることによって瑠璃の意識を目覚めさせることが本当の目的であったと直実へ伝える(⑶)。先生により瑠璃は現実世界へサルベージされてALLTARA内から消え、先生も現実世界へ帰還したことからグッドデザインもなくなり、直実は先生の裏切りと瑠璃の消失から絶望する。

【世界A ー 先生が生きる世界】
 ALLTARAから瑠璃の意識をサルベージしたことにより、瑠璃は脳死状態から回復する。先生はこの世界で京斗大学の千古教授の下で働いており、ALLTARAのシステム管理者を任されるようになっている。この管理者としての立場を用いてALLTARAからのサルベージを行なったが、この作業に必要なALLTARA内へのダイヴには相当数の失敗があり、その時の事故の影響で脊髄を損傷、左足が麻痺している(⑷)。また瑠璃の意識をサルベージしたことにより、ALLTARA内ではデータ欠損が発生しており、システムによる修復だけでは回復できない事態に陥っていた。千古教授はデータ欠損の復元のため、ALLTARAの再起動を提案。先生はALLTARA内の直実を思うが、この再起動を行うことに同意してシステムを作動させる。

【世界A'】
 失意に暮れる直実であったが、修復システムによる世界のデータ分解を目の当たりにし、先生から自らがデータであると伝えられていることを思い出し、死ぬことを悟る。しかし、崩壊する中で瑠璃が連れ去れた光を目撃、またこの世界では元の世界とは違った出来事1が起こっていることからこの崩壊に飲み込まれずに自らの意識を保てるのではないかと賭けに出て崩壊に飛び込む。崩壊した世界で直実は自分が死んだのかと疑問に思うが、三本足のカラスが目の前に現れる。カラスはこの三ヶ月間ともに過ごしたことで直実に協力したいと告げ、まだ直実が死んでいないこと、瑠璃を取り戻せることを告げる(⑸)。直実はもう一度瑠璃に会いたいと願い、三本足のカラスが再び右手に戻り、グッドデザインを使う。

【世界A】
 システムの再起動が始まり、その後の復旧までの空き時間に先生は脳死状態から戻った瑠璃に会いに行く。先生は瑠璃に十年眠っていたこと、もう一度会えてよかったことを伝えるが、瑠璃は先生が直実ではないことに気付く。その時、この世界でも狐面を被ったアバター、修復システムが現れ、先生は自分が生きている世界すらもALLTARA内であることに気付く(⑹)。(同時刻、ALLTARAから修復システムがとめどなく溢れるのを千古教授含め、ラボメンバーが目撃する。)修復システムは意識の戻った瑠璃に襲いかかり、その存在を消そうとするが、その時直実が現れ、グッドデザインを用いて修復システムから瑠璃を救う。先生は負い目を感じていた直実がグッドデザインを使って突然現れたこと、瑠璃が先生ではなく直実を求めていたことなどから狼狽して動けないでいた。直実は先生へ一発殴りを入れた後、瑠璃とともに元の世界への帰還を試みるため、三本足のカラスより伝えられた元の世界へ戻るための最適点として京都駅を目指す。グッドデザインの力を使いこなしてシステムを排除しながら駅を目指すが目的地のそばで追い込まれてしまう。そこに先生が車で現れ、直実と瑠璃を助け、京都駅へと無事に到着する。直実がグッドデザインを使って元の世界へと戻るためのゲートを設定している間、瑠璃は先生が何者であるかを問う。先生は自分も直実であることを隠すが、その会話の何気無い一言で瑠璃は先生が直実であることに気付き、自分を助けようとした先生へ感謝の思いを伝える。直実がゲートを設置し終え、瑠璃はそのゲートを潜り抜ける。直実もそのゲートを潜ろうとしたとき、超合体して巨大化した修復システムに襲われてゲートが破損、今度は直実と先生が修復システムから襲われる。先生は瑠璃が修復システムに殺されそうになったことから、同じ次元に同一人物が二人いることを異常として認知してるいることに気付き(⑺)、直実に自分を殺すよう提案するが直実は拒否する。修復システムに直実が殺されかけたとき、先生が身を呈して庇って直実を助ける。同時刻、この異常事態を止めるためにALLTARAのスイッチ(ブレーカー?)をオフにしてシャットダウンさせようとする。その際、エラーを修復せずにALLTARAを止めるとエラーがループすることで情報量が無限大に発散、どのような事態になるか想定できないとラボメンバーは千古教授へ反対するが、教授はそれが「開闢」であると予言する。そしてALLTARAのスイッチがオフとなったとき、先生は光となって消え、直実は元の世界へと飛ばされる。教授やラボメンバーは目の前のALLTARAが消失していることに驚くが、教授はALLTARAがもはやデータ記録装置ではなくなり、別の世界となったことを告げる。その世界で直実は瑠璃と再開し、瑠璃がこの世界は元の世界であるか尋ねると、直実はこの世界は誰も知らない、きっと新しい世界だと返した(⑻)。


(場面暗転、瑠璃がサルベージされたときに先生が見ていた精神同調率を示すゲージが100%を示す)


【世界α】
 誰かが目を開けるシーンから始まる。世界がボヤけて見えているが、遠くで「やった」「成功だ」など喜んでいる声が聞こえる。視界がクリアになっていくと同時に近くに誰かが立っていることに気付いたとき、その誰かが十年後の瑠璃であること、目を開けたのが直実であることがわかる。また、ラストの絵で瑠璃と直実がいるのは月面基地であることが描かれる(⑼)。


〜おわり〜



・追記 9/21 11:50

 なぜ瑠璃は二重ダイヴする必要があったのか。この答えがわかった。ALLTARAは世界の記憶装置であり起こった過去全てを再現できる。すなわち、2027年に瑠璃が雷に打たれて脳死となったこと、2037年に直実がALLTARAから瑠璃をサルベージさせたことは世界αで起こっていることを示唆しており、世界αは世界Aや世界A'の未来であることがわかる。また、未来世界である世界αで瑠璃が直実をサルベージした際に2037年を終点としたことから、直実は瑠璃をサルベージすることに成功したが同時にその結果として脳死状態になったことがわかり、その原因は2027年への直実のALLTARA内へのサルベージであることが推測できる。精神同調によるサルベージでは、先生が瑠璃を救う際にしたように過去を再現して精神同調率を上げていく必要があるからこそ、未来世界の世界αの瑠璃は2037年にダイヴした直実を介して2027年にダイヴする必要があったということだね。これで疑問点解決とともに、世界A'【世界αのALLTARAデータにある2037年のALLTARAデータの2027年】と世界A【世界αのALLTARAデータにある2037年】が世界αの過去であり同一世界であること、ゆえに世界αでALLTARAからサルベージを行っても世界αがオリジナルであるからこそ修復システムが作動せずに無事直実を帰還させられたことが理解できる。

 残る疑問点は、以下の二つ。

 ・直実が2037年の瑠璃のサルベージの際、なぜ脳死状態に陥ってしまったのか

 ・なぜラストシーンが月面基地なのか。

 未来世界へ直実の意識をサルベージしたシーンは、【世界αのALLTARAデータにある2037年】にて直美と先生が握手をして直美が元の世界へ戻されるところだと思う。あの時、【世界αのALLTARAデータにある2037年】にあったALLTARAは機能を停止して修復システムが作動していなかったので、先生がデータとして消えるのは矛盾する。加えて、最後の先生のシーンは光となって消えていくところなので、おそらくここが【世界αのALLTARAデータにある2037年】の終点である。でも、なぜここのシーンで直実の精神同調率が100%になったのかはわからない。最後の先生は直実と握手して二人の幸せを祈っていたが、実際に2037年にそうして直美と瑠璃を送り出していたら未来世界である世界αの瑠璃が存在できなくなる。【世界αのALLTARAデータにある2037年のALLTARAデータの2027年】にて、古本市の出来事で過去を同じように再現できなくても精神同調率は100%になることが明示されているから、瑠璃がカラスとしてダイヴした【世界αのALLTARAデータにある2037年】が2037年の事実と違っていて当然なんだけれど、この辺りは小説読んだりしないとわからないかな。

 あと、ラストシーンの月面基地はわからないけど、これは単純に直実のサルベージに瑠璃がかけた時間の比喩として現れてるのかな。

 ここまで考えてから、HELLOWORLDには直美と先生の二人主人公がいたけど、先生は先生で瑠璃を助け助けられ、無事二人は再開できたし、直実は瑠璃とともに世界αとは違う世界に生きていくことができたし、最高のハッピーエンドであることに気づいた。最高じゃん。誰も悲しまなくて済む優しい世界があるね。