考の証

要は健忘録

「劇場版 幼女戦記」の感想

 幼女戦記は、小説のオーバーロードの最後に挿入されていた広告を見て初めて知った。サラリーマンが幼女に転生して戦争に行くとはどういう話だ?と気になっていた時、暇であったのとネットに原文が投稿されているとのことで読み始めたのがハマった原因である。そのネット小説では、小説やアニメと同様に、ターニャは戦争を嫌う描写があるのだが、どう見ても戦闘狂です本当にありがとうございました。という感じであったが、小説やアニメ、漫画ではその戦闘狂描写がちょっと薄くなり、文明的であることを喜ぶような姿が見えてよかったと思う。それにしても、小説・アニメ・漫画の全てでキャラデザが異なる作品というのも珍しい。ちなみに基本は漫画のキャラデザが好きです。ただし、レルゲンはアニメ版が一番好きです。


 さて、実は言うと小説の幼女戦記は2巻までしか読んでいないので、アニメ時点ですでに原作がどのような方向に進んでいるのかは分かっていない。なので、この新編である劇場版ではどのようなストーリーになるか楽しみだった。のだが、南方大陸戦はすぐに終わってしまった。ローメル将軍は中々のお気に入りのキャラだったし、ここでの活躍があってこそのノルマルディア上陸作戦でのターニャへの信頼っぷりがあるのになって。まあ小説でどういう展開になっているのか知らないのでわからんけど。でもそれ以外ではめちゃくちゃ良かった。何よりも効果音と音楽がよかった。幼女戦記の銃撃や爆発だとかの効果音はTVの頃からよかったけど、劇場版では更に良くなってた。あと音楽もアニメ版から少しアレンジを掛けていたけれど、「これこそ幼女戦記!」って言う感じでちょっと鳥肌が立った。砂漠戦から一転して連邦戦になり、同志ロリヤの【検閲済】趣味は本当に気持ち悪かったし、清く正しい人民の指導者【内務人民委員部検閲済】のヨセフと言い、本当に原作者はコミー嫌いなんだなって思った。そう言えば、モスコー襲撃に関するターニャへの詰問はなかったけど、そこも少し見たかったな。これは流石に配慮とかあったのか、それとも尺の問題だったのか分からんけど、惜しいなぁ。


 にしても、一番良かったのは戦闘シーンだよね。特にメアリー・スーの光学系術式はヤバ過ぎて笑ってしまった。アニメ版の術式は漫画版と違ってかなり現実味に近い設定で必ず銃弾に術式を付与する形であったから、手から魔導刃出したり銃口からビームが出たりすることは無いと思ってたのにいい意味で裏切られた。初撃の打つ前のあの魔力が滾ってる演出、めちゃくちゃ好き、ああいう演出にめちゃくちゃ弱い。つか、光学系術式が出てくるとか本当思わなかったし、ターニャとヴィーシャのリアクションを見ると本当に魔力消費が激しい術式なんだろうな。じゃなかったら二人とも絶対ぶっぱしてる。あの攻撃力に加えて防殻もめちゃくちゃ分厚いし、あの威力のビームが連続で打てるとか、今までのターニャなんて可愛く映る無茶苦茶っぷりだった。その内ターニャもビームで敵軍を薙ぎ払ったりするんだろうか。今回のティゲンホーフ防衛戦の連邦師団とかも対地戦力としてあの火力が出せるなら今以上に活躍できるな。

 そしてメアリー・スーのキャラは幼女戦記にやっぱり必須だよね。合理性と規律を重んじ、軍人を体現するターニャに対して、ネット小説では神の信仰を、アニメ版では人間を体現するメアリー・スーは本当にいい対比。エンターテイメントとして、娯楽として幼女戦記を消化する上では合理性もクソも無く、個人の感情を中心に動いて仲間を危険に晒すメアリーは本当にクソだけど、それは前提として虚構であるからそう言えるだけ。もしこれが現実であったりしたら、多分ターニャよりもメアリーの方に感情移入できると思う。だって、本当にメアリーの方が主人公してるもんね。それに対してターニャは本当に悪役です、本当にありがとうございました。自分の父親に渡した武器を敵の兵が持ってるとか、確実に悪役のすることだよ。まあそんな悪役であっても悪い感情を抱かれないのがターニャで、主人公ポジションにいても悪い感情を抱かれるのがメアリーな訳なんですけど。ここでメアリーを出してきたけど、これから先ことあるごとにメアリー出てくるとなると確実にアンチが出るな。本当にドレイクの胃には穴が空きそうだね。


 と、コードギアスに比べてたくさん感想は書けないけど、とても面白かったです。